帯状疱疹:症状と注意すべき点

An elderly woman has pain from eczema on her left flank

帯状疱疹とよく聞くが
発症する原因や前触れが分からず他の病院を受診し皮膚科へ回される患者さんが多いです

特に50代以上から発症リスクが高くなると言われています
外来でも1日に必ず数名は帯状疱疹で受診されます

この記事では
帯状疱疹とは?
帯状疱疹になった時に注意すべき点
治療方法
後遺症についてを看護師として分かりやすく説明していきます

帯状疱疹とは

子どものときに感染する水ぼうそうが原因です
水ぼうそうに感染すると
そのウィルスは神経を通って神経節に潜伏します

免疫が落ちたり、疲れ・ストレスなどの原因で潜んでいたウィルスが悪さを始めるのです
それが帯状疱疹です

初期症状~治るまで

特徴なのは身体の片側にしか発症しないことです

痛みが数日前から現れることが多く
患者さんの痛みの表現では
「筋肉痛のような痛み」「だるいような痛み」「頭痛がし違和感がある」
「チクチクすす」「ピリピリする」

など個人差があります

その段階では何の痛みかわからず整形外科を受診し皮膚科へ紹介される方もいます

例外ももちろんあり
痛痒い、痛みはほとんどないという方もいます

糖尿病の方は痛みを訴えない方も多いので
片側に発疹や水泡(水ぶくれ)が出た時には早めに主治医へ相談して下さい

痛みのピークは発疹(湿疹)が出てから7~10日後です
発疹(湿疹)→水ぶくれ→かさぶた の経過となります

かさぶたが取れるまで約2週間程度かかります
それまでは塗り薬は続けて下さい

治療
ウィルスに効果のある飲み薬
湿疹や水泡に塗る薬
痛み止めを処方します

飲み薬(内服)は7日間です必ず飲み切って下さい!
1日1回の内服
1日3回の内服があります
年齢を重ねた方には腎臓に負担のすくない1日1回の薬をおすすめしています

しかし高価であるため診察時にリスク等を説明しそれでも処方してよいか聞いています

ほとんどの患者さんが1日1回の内服(飲み薬)を希望します

塗り薬はかさぶたが取れるまで塗り続けます
痛い時には我慢せずに飲むようにして下さい

帯状疱疹が怖いのは痛みが続く場合です

発疹は落ち着いても
神経自体への障害によって生じる痛みです

要約すると:ウィルスが神経を傷つけてしまい、その傷の痛みが続くことです

外来では痛みの経過をみるため1週間後に必ず診察してもらい
湿疹の状態や痛みはあるかを確認します

半数が軽度の痛みが残り痛み止めを処方します

それでも痛みが続く場合は神経の痛みを和らげる薬を徐々に増量していきます

痛みで夜も寝れない方などは、ペインクリニック(注射で痛みを調整する病院)へ紹介します

顔にでる帯状疱疹

顔や側頭部など目の近くに帯状疱疹がでる場合もあります

【ある患者さんのケース】
頭痛なのか違和感なのかわからないが変な感じがする
小さな湿疹が1・2個しかないが
知り合いに帯状疱疹ではないかと言われ受診した

先生の説明で

帯状疱疹ですね、目の近くなので今から眼科受診もして下さい
角膜炎や結膜炎などの合併症になる可能性もあります

と説明している時に

今からスポーツジムへ行っていいかしら?
腫れてもないしそんなに痛くもないので大丈夫ではないですか?

同僚

ええええっーーー
安静にしてと先生は話しているのに
やはり症状がないと大丈夫と思い込んでしまうんだ・・

安静が必要でジムには行かない事
必ず眼科受診、帰ったらすぐに薬を飲む事を伝えました

1週間後受診した時に、翌日から顔が腫れ痛みがひどかった
「ジムに行かなくて良かった、有難うございます」と言って感謝の言葉を頂きました

帯状疱疹は人へから人へはうつる事はありません
帯状疱疹の原因で記載したように体内に潜んでいたウイルスが悪さをしているからです

しかし、水ぼうそうの罹患経験(かかったことがない)ない人には水ぼうそうになる可能性があります

かさぶたができるまでは水ぶくれにウイルスが含まれているため、うつる場合があります
妊娠初期(8~12週)に水ぼうそうに罹患すると胎児に影響が出る恐れがあります

もともと病気を患っている方や、免疫不全状態の患者さんは重篤になる可能性があるので
早めの治療を行うことが必要です

対策

家族や周囲にまだ水ぼうそうになっていない
予防接種を受けていない小児がいる場合は

帯状疱疹になった人が触れたものは直接触れないようにして下さい
タオルなども共有しないようにしましょう

水ぼうそうになったことのない人が接触した場合は、病院で抗体検査を行い
緊急でワクチン接種が必要となる場合もあります

※冷やさず温める

帯状疱疹の痛みには絶対に冷やさないように
痛い部分は温めて下さい、カイロや温湿布などもいいのですが直接皮膚には接触しないようにして下さい(低温火傷の可能性)
また、入浴をすすめています。身体も温まりリラックスもできるためです

※水泡つぶさない
自然に取れるまでそのままにして下さい
無理に取ると取った場所から細菌が入り炎症を起こす場合もあります

※安静・栄養のある食事・ストレスなどを溜めない
帯状疱疹と言えば当たり前ですが、自覚がなくても身体が休息するようにサインを送っていると思って下さい

予防

50歳を過ぎると自費ですがワクチンを接種することによって予防する事もできます

病院によって金額も異なるので問い合わせて下さい

加齢とともに免疫力の低下、疲労やストレスをためない様に心掛ける
適度な運動や偏食はやめ規則正しい生活を送るようにして下さい

外来に来られる患者さん全て
今疲れている、睡眠不足が続いていると言われます

自分では大丈夫と自覚がないまま頑張りすぎてしまっている方が多すぎます
身体が今は休んで欲しいとサインを送っているので休息大切ですよ!

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